2008/10/29(水)TOPPERS/ASP kernelのSH7144への移植~その2

[TOPPERS/ASP]ポーティング作業メモ

ある程度前提条件を用意しないと作りこめない((ざっと修正しようとしたけれども,target依存の仕様定義なしでは無理だったので,追記.))ので,付録についている使える部分にあわせて実装する.

  • UART
    kernelでSCIF1を使う.TX1/RX1が生きているので,これをログ吐き出しようにする.通常タスクからも,標準出力として使える*1

*1 : codeを呼んでいるときにコメントで確認.

target依存部

asp/target/cq7144/を作成し,asp/target/apsh2a_gccのファイルをコピーする.
target_user.txt は,逐次修正していく.port.txtに従い,推奨されている情報を記載する(ように気をつける).
また,各ファイルのヘッダ部分については,確認が必要だろう.

  • Copyright表示をどうするか?
  • CVSの '$Id:'表記を削ってよいか?*2

cqsh2.h

  • シンボル名を変更する.(TOPPERS_APSH2A_H → TOPPERS_CQSH2_H)
  • include fileを変更する.("sh12a_gcc/sh7211.h"→"sh12a_gcc/sh7144.h")
  • 動作クロックを変更する

Makefile.target

  • シンボル変更
    • BOARD = cqsh2
    • PRC_ARCH = SH2
  • アドレス変更
    • DATA_START_ADDRESS = 0x00400000 【動作検証未】
    • TEXT_START_ADDRESS = 0x00000000 【動作検証未】
    • DEFAULT_STK_TOP = 0x00000000 【動作検証未】

"DEFAULT_STK_TOP"は,R15(SP)にセットしたいアドレスをおいておくと良い.gccがgenerateしてくれるスタック操作は "mov.l hoge, @-r15"だったので,ケツからつかうならゼロで良さそう.


E_PACKAGE

  • asp_apsh2a_gcc → asp_cqsh2_gcc

MANIFEST

  • 名前だけ変更?ファイルの過不足を確認.実際の動きを見て修正要【未】

target.tf

  • sh7211.tf → sh7211.tf

target_cfg1_out.h

(修正不要)


target_check.tf

(修正不要)


target_config.c

target_initialize()にて,依存部の初期化処理を入れる.主にPFC設定となるだろう.
prc_initialize()でどの程度の初期化をしているのか,気にしておくこと.
★ペリフェラルの初期化がどんどん後ろに行くなぁ.でも,最低限度の初期化だけにとどめるべきだろうな...


target_config.h

以下のシンボルに注意.SCIFのIDとは相関が無い気がする.【未検証】

 *  ターゲット依存の文字出力に使用するポートの定義
#define TARGET_PUTC_PORTID 2

DEFAULT_ISTKSZの変更.メモリ容量を見て調整する.【要調整】→とりあえず3kしかないので1kにする.

 *  微少時間待ちのための定義(本来はSILのターゲット依存部)
#define SIL_DLY_TIM1     75
#define SIL_DLY_TIM2     21

これらも使用している場所で,どの程度の時間を期待しているか,を確認して修正すること.【要】
>asp/doc/porting.txt (870,1): 
> (4-2-1) void sil_dly_nse(ulong_t dlytim)
仕様について記述がある.2つある理由も記載されている.
SH7144においては,cacheがないため,値のload/codeのfetchに時間を要するため,
簡単には導出できない.
内蔵ROM/内蔵RAM/BSC配下のRAMにコード/データをおく場合によって,値が変わるだろう.
ROM化とそれ以外,の例のままおいておくので,テストコードで実測してつめていこう.【要調整】
参考:[http://www.apnet.co.jp/toppers/cbbs/cbbs.cgi?mode=res&namber=65&page=&no=0:TOPPERS掲示板~sil_dly_nse()に与えるパラメータについて]
>||
算出したステート数から以下の条件で処理時間を計算します。
  1ステート = 1クロック
  CPU周波数 = 49.152MHz
  ・1つ目の処理時間
    7 / 49152000 * 1000000000 = 142.415 [ns]
  ・2つ目の処理時間
    10 / 49152000 * 1000000000 = 203.450 [ns]

load直後のr4を演算に使っているので, state表どおりにはならない. memoryアクセスのwaitもここでは考慮されていないように見える.実測から測定するのが妥当だろう...


target_kernel.h

(修正不要)


target_rename.def

(修正不要)


target_rename.h

(修正不要)


target_serial.c

SCIFのIDを固めてから修正する.あまりいじるところは無いだろう【要】


target_serial.cfg

kernel configurationファイル.静的な割込みハンドラ登録,初期化関数登録を行う.
INTNOに番号が振られていないのが気になる→target_serial.hで,定義している.


target_serial.h

使用するSCIFに依存したベクタ値や割込み優先度の値を定義する.割込みレベルを含めたシステム設計が必要.問題になるまで放置かな.-4でok.(上から4番目/16段階)

コンパイル時に問題になった(ぉ


target_sil.h

(修正不要)注:リトルエンディアンで使用する場合は,シンボル定義を変更すること.


target_stddef.h

  • TOPPERS_APSH2A → TOPPERS_CQSH2
  • 以下の実装は見送る,か,自爆リセットかな?
     *  アサーションの失敗時の実行中断処理(T.B.D)
    TOPPERS_assert_abort(void)
    

target_support.S

_hardware_init_hook:

少なくともバスコントローラ・クロックまわりのペリフェラル初期化処理はココに記述する.ひとまず下記の設定とした.CS0は本来不要だが,FPGAを接続する予定なので有効にしておき,バス衝突が生じないようにする対策である.

  • module standbyは,全部を解除する.
  • BSCは外部空間を有効とする.(必要最小限=SRAM領域 に削るべきだが,wait多めで初っ端は作る)
  • PortA,B,C,D,Eのみ HW初期値でも初期化します. Fは何も触りません...
  • PFCもBSCを使える程度の設定までとする.SCIFxの設定は,target_initialize()内で良いだろう.

→ここではまった.こうは書いたものの,実際にはどちらでも実装せずに抜け落ちていた. SH7144のデータシートを見る限りでは,function設定を行えばIO directionも強制的に切り替わるロジックになっている.


target_syssvc.h

割込み番号を追加(たぶん使わないだろうけれども)

#define SCIF3_RXI_INTNO   SCIF3_RXI_VECTOR
#define SCIF3_TXI_INTNO   SCIF3_TXI_VECTOR

SCIFサポート数を3にした.CQはSCIF2を使用しており,0,1,2の順に定義しているため.管理番号とSCIFxとの対応を変えれば,必要最小限に抑えることができるでしょう.

#define TNUM_SIOP 3

target_test.h

(修正不要)
アドレスエラー生成は,適当な基数アドレスへintアクセスをさせることで行っている.右辺式のみなのだが,消えないのだろうか.(volatile変数として扱ってはいるけれど).


target_timer.cfg

(修正不要)


target_timer.h

(修正不要)
CMT.CMCSR.CKS = 0 (8分周)

target_unrename.h

(修正不要)


target_user.txt

今回の修正終了後に,書式にあわせて修正する【未】


*2 : (株)ヴィッツ様の依存部コードでは削られていることを確認.

architecture依存部

asp/arch/sh12a_gcc/ 配下

  • "sh7144.h"を作成する.
  • "sh2_config.h"を作成する.
  • "sh7144_config.h"を作成する
  • "sh7144.tf"を作成する.

sh7144.h

  • ベクタテーブルのシンボルを定義する.
    命名はHWMのvector表に従った
  • 内部制御レジスタのシンボルを定義する.

SH2Aとは少しつくりが異なるのか,シンボル名が異なるだけなのか不明だが,sh2a_config.hでは所望の動作にならない.
SH7144.hで定義するICRのシンボル名をマニュアルと異なる名称とすれば,エッヂ検出設定を x_config_intatr()で行うことは可能になるけれども,美しくない.

コンパイル時に不整合が発覚.

  • prc_timer.hから,CMI0_VECTORを参照している.
    ベクタテーブル名称は,もとのものにあわせておく必要があるぽい.
    汚いが下記のとおり追加した.
    #define CMI0_VECTOR  CMT_CMI0_VECTOR		/* for prc_timer.h */
    #define CMI1_VECTOR  CMT_CMI1_VECTOR		/* for prc_timer.h */
    

sh7144_config.h

  • USE_BANKED_REGをコメントアウト.SH2にはレジスタバンク機能は無い...
  • init_irc()の実装を修正.
    割込みレベルを最低にセット,HW初期値に戻して,要因はクリアしておく.

sh2_config.h

  • edge検出設定(x_config_intatr)のコード修正.

レベルセンスと両エッヂにも対応.(勝手に拡張)
TA_POSEDGE,TA_NEGEDGE を用いて,両方の論理和を渡すと両エッヂ,どちらのビットもたっていなければ,レベルセンスとなる.

sh7144.tf

オリジナルを参考にして,割込みベクタ・priorityの縛りを記述する.*.tfファイルの位置づけや仕様,コンフィギュレータとの絡みについて調査を要す.vectorコードが肥大化しているので,コンフィギュレータに対してコードを自動生成する部分でもあることは確からしい.【要資料集め・調査】

prc_config.h

i_begin_int()にて,SH2A依存コードが記述されている.関数の移動もしくは,[bf:sh[12[A]?]_config.h]でのシンボル定義による切り替えを行う必要があるだろう.
今回はオリジナルを尊重し*3,シンボルによる切り替えで実装する.


*3 : 依存部として株分けしたのだから,消しても良いか?

pdic配下のSerial Driver

SH2のSCIとSH2のSCIFとはモノが異なる.そもそも内蔵ペリフェラルのSIOドライバであり,target依存と考える.
ただし,SH2として共通であればPDIC配下に戻すことも考慮する.
CQ7144としてportingする場合においては,ベースとして拝借し,target依存部へと移動する.

なお,includeしているのは,target_serial.[ch]と,target_config.hである.


sh_scif.c/sh_scif.h

→リリース時には,pdicへ戻すことにする.
内蔵デバイスなので,arch依存と考えるのが妥当な気もしますけれどね...



debug

一発で動かなかった.改変した箇所の詳細を反映させる必要があるが,ガッツリと作業にハマってしまい,履歴が残っていない….
debug時にもソースコードを改変/修正したので,更新情報もあわせて出したいと思う.


[ToDo]

  • コード整形時に差分を取りながらメモを追記する.
  • release状態も検討しながら修正する.
  • make PACKAGEを試して,asp kernelすっぴんでのmake/build/実機sample動作確認をとる.
    → リリース前確認用のログを取得する.